初回の今回は、まだ記憶に新しい2003年12月26日に発生した イラン南東部地震後の復興過程において、イラン住宅財団注1)が計画し、実施した住宅復興政策を紹介します。
この政策によって、被災者が地震後に住宅を再建する際、手厚い金銭面の援助があっただけでなく、かれらのほぼ全てが耐震技術を用いた住宅を再建することができるようになったのです。
この震災の直後、国際NGOなどの協力で、被災者は約半年間のテント生活を送った後、徐々にコンテナ型などの仮説住宅に移っていきました。
その頃、住宅財団は様々な工法に応じた耐震基準を定め、そうした基準を満たした耐震モデルハウスを建設しました。
さらに、イラン国内の建設業者や国際NGOの協力をうけ、耐震モデルハウスの住宅展示場をも建設しました。
被災者は、この住宅展示場のモデルハウスを参考に設計すれば、耐震基準を満たす住宅を再建できるというわけです。さらに、住宅財団は耐震基準を満たした住宅の再建には、助成金を出すことを決めました。
助成金の内訳は、約US$4,500を無償で提供することに加え、5%の金利(イランの金利は約25%)で約US$6,000のお金を借りることができるという非常に手厚いものでした。そのため、被災者の住宅再建資金の実に50〜100%が、住宅財団の助成金によるものとなりました。
この政策は、被災者にとって、助成金を得るばかりでなく、耐震技術をもつ住宅で暮らすことができるという非常にメリットの大きいものでした。
しかし、一部の被災者は今回の政策によって得た住宅の耐震性に疑いをもっていました。その理由は、一部建設業者の地震および耐震技術への認識が不足していたことにありました。つまり、地震による被害を軽視して工期を優先してしまったり、職人自身の専門知識の不足が認められたのです。
このことから、全ての人々が地震に強い住宅を得るためには、住民のみならず建設業者や職人を含めた、この地域に住む1人1人の地震や耐震技術への意識や知識が非常に重要になってくると思います。
そのため、防災政策や耐震建築と共に、住民への防災教育や建設職人への耐震技術のトレーニングなどを行うことで、その地域に住む人々の意識や知識が向上し、その結果として、その地域の防災力が上がるのではないかと思いました。
そこで、SNS国際防災支援センターでは、「防災のための地域力向上」を掲げ、総合的に活動を行っていくことを決定したのです。
SNS国際防災支援センター 理事長 大久保 信寛
注1)住宅財団=日本の都市再生機構のような機関で、住宅建設のために低金利でお金を貸し出したり、
住宅などの建設に認可を出したり、また住宅の設計などもしています。
そして、自然災害の後、住宅再建に積極的に取り組んでいます。イラン南東部地震後は、仮設住宅の提供も行いました。
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