現在、ケルマン州政府と共同で防災文化構築支援活動を行っているSNS国際防災支援センター(以下、SNS)は、2007年6月、同州内のバム市、ジロフト市、及びラバール市内にある3つの学校で耐震補強工事を開始しました。
2007年2月〜3月に、SNSが、イラン教育施設委員会、及びペシャワール工科大学と協力して行なった調査結果を基に、SNSの理事であり、一級建築士である今井氏が耐震補強のための図面を作成しました。
そして、イラン教育施設委員会のテクニカルアドバイザーであるカーキ博士との協議を経た後、最終的な図面を完成させました。その後、各学校がある地域で、幾人かの建設業者と打合せを行ない、耐震補強工事にふさわしい業者を各地域で選び、いよいよ、工事の開始となりました。
同州内には、残念ながら、利益ばかりを追求し、場合によっては手抜き工事を行なうような業者もおりますので、すべての業者に、この仕事が地元住民の将来の防災に通じる大切な工事であることを強調し、今まで以上に慎重に業者選びを行ないました。
ジロフト市の学校には、校舎が2つあり、1つが主に教室用で、もう1つが主に教師用施設になっています。工事開始前に地元教育省から、教室用校舎の耐震補強を優先し、夏休み中(6月上旬頃〜9月下旬頃)に同校舎の工事を終えてほしいとの要望がありました。そのため、教室用校舎の耐震補強工事を先に行なうことになりました。
調査の結果に基づき、この校舎は、壁、及び屋根をともに耐震補強します。現在、校舎の内外の壁と屋根の塗装などの除去を行なっています。壁は、チキンメッシュと呼ばれる鳥小屋の金網のような網を用いて、壁の外側、及び内側を含めた全体を、包帯を巻くように、包み込みます。これは、インド、パキスタン、及びネパールなどで行なわれている組積造の耐震補強のための一般的な方法です。また、屋根は、格子状に組んだ鉄筋にセメントを流すなどして補強します。
また、ラバール市の学校には、生徒用の寮と校舎があり、地元教育省の要望に基づき、最初に生徒用の寮の補強工事を開始しました。こちらは、調査の結果、屋根の補強のみをする必要があるため、ジロフト市内の学校の屋根と同じ方法で工事を行ないます。
さらに、バム市の学校でも工事を開始しました。同学校は、地震で部分的に破壊されました。そのため、現在は使われていません。この学校では、将来のケルマン州内での耐震補強のための資料を残すために、地震による被害を詳細に分析し、その後、耐震補強する計画です。現在、同校舎の内外すべての塗装などを除去する工事を行なっています。
ジロフト市、及びラバール市の学校では、新学期、地震に強くなり生まれ変わった校舎、及び寮で、学校生活を楽しむ生徒たちの笑顔を見ることができそうです。
また、SNSは、これらの工事期間中に、地元地域の住民や生徒を現場に招き、防災セミナーを開催します。そこで、耐震補強の大切さや将来の地震への備えの重要性などを訴えていきます。
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