SNS国際防災支援センターは、現在、ジャパン・プラットフォームからの助成金を得て、ジャワ島地震で被害を受けた地域で、地震に対して安全な住宅を建設するための基本技術と、既存の住宅を耐震化するための技術の普及活動を実施している。以下に、2009年4月9日までに実施した活動内容を紹介する。
1・地震に対して安全な住宅を建てるための建築の基本を指導
震災後に再建された住宅の現状を調査し、必要に応じて建築に関する指導を行うため、ガジャマダ大学と協力して、被災地のほぼ真ん中に位置するJetis地区Trimulyo分地区の12箇所の村に建つ4,277軒のうち、無作為に選んだ300軒の復興住宅を巡回した。
| 村 |
巡 回 軒 数 |
住 宅 数 |
Bembem |
25 |
320 |
BlawongT |
25 |
380 |
BlawongU |
23 |
410 |
Bulu |
26 |
416 |
Cembing |
24 |
310 |
Denokan |
22 |
250 |
Karangsemut |
23 |
205 |
Kembang Songo |
24 |
585 |
PonggokT |
25 |
340 |
PonggokU |
30 |
475 |
Puton |
23 |
360 |
Sindet |
30 |
226 |
|
300 |
4,277 |
巡回した300軒の住宅の状況を分析したところ、図面上あるはずの柱や梁がないことや、壁の大きさが規格以上であることなどの問題点が多数認められた。また、被災地周辺では、家を建てる際、はじめに、予算に応じた家を建て、資金や家族が増えたときに随時、増築していく。そのため、政府や国際機関などからの支援で住宅を再建した後に、住民によって増築された箇所が多く認められた。しかし、増築された多くの箇所は、キー・リクワイアメント(より安全な住宅に対する基本的要求事項)に従っておらず、多くの問題が認められた。
そこで、分地区で各村の代表者などを対象にしたワークショップを開催し、復興住宅の現状を報告し、キー・リクワイアメントに従った建築の基本を紹介した。その後、各村の建築職人を対象に、12のそれぞれの村でワークショップを開催し、実技指導を中心に建築の基本を指導した。12の村のワークショップに、合計216名の建築職人が参加し、建築の基本を学んだ。その中で、建築の基本をわかりやすく解説した資料を配布し、ワークショップの後、参加者がいつでもその基本を確認できるようにした。
2.耐震補強技術を提案
300軒の復興住宅を巡回しているときに住民から、またワークショップの参加者から、すでに建っている復興住宅や増築箇所を耐震化するための技術を普及してほしいとの強い要望があった。また、300軒の巡回建築指導の結果をガジャマダ大学と分析している際も、耐震補強技術普及の必要性を話し合っていたため、この技術を普及することにした。
そこで、まず、分地区でワークショップを開催し、各村の代表者などに耐震補強技術を提案した後、12のそれぞれの村でワークショップを開催し、建築職人を対象に、実技指導を中心に我々が提案する耐震補強技術を指導した。12の村のワークショップ合計で、225名の建築職人が参加し、この技術を学んだ。
この地域では、今まで、住宅の耐震補強は行われたことがなく、この耐震補強技術は、建築職人や村の住民にもはじめての技術であった。そのため、本格的に普及する前に、耐震補強にかかるコストや工事のしやすさなどを考慮して、改善する必要があると考えた。
そこで、村の住民からの耐震補強への強い要望なども考慮し、各村に耐震補強のための資材を提供し、各村で10〜20軒程度の復興住宅を、今回指導した技術を用いて、試験的に耐震補強してもらうことにした。
その後、可能であれば、耐震補強が行われた住宅を巡回し、各村で実施された耐震補強工事の結果を調査し、コストや建築職人の意見などを分析する。その後、専門家の意見も交え、この地域に合った耐震補強技術を確立し、それを普及させたいと考えている。
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